コラム - 美容

美容 - 皮膚科医はエステなどしないし、スクラブなど使わない

化粧品に多額のお金をかけている人も多いようです。
5,000円のスクラブで洗顔していると自慢する人、4,000円の保湿化粧品を使って1万円の美容液を使っているというセレブな人もいます。

しかし皮膚科医の多くは、高額な化粧品は使っていません。安いので十分だと考えているのです。
高級な化粧品を使うと、高いのだからとついつい使用量をケチってしまいませんか?
高額な化粧水を遠慮しながら使うよりも、安い化粧水をたっぷりと惜しみなく使う方が保湿効果は高いと考えられます。

また、スクラブ洗顔やエステなどで肌を刺激するのは、実は肌にとっては最も避けたいことなのです。
皮膚科医は毎日のように、過剰なお手入れが原因でダメージを受けた肌を見ています。

クレンジングや洗顔の時に、肌が指に密着した状態で何度もクルクルとなで回していませんか?
拭き取りようのクレンジングをコットンにとって、強く拭いていませんか?
クリームを塗る時に、奥深くまでしみ込めと念力をかけるように力を入れて擦りこんで塗っていませんか?

これらは全て、こすり過ぎで肌にダメージを与える行為です。
最近は「泡でやさしーく洗いましょう」というCMが流れていますが、これが正解です。

肌の表面にはバリア機能を有している角質層があります。この角質層の厚さはわずかに0.02ミリしかありません。
シャープペンシルの芯の太さが0.5ミリなので、その20分の1よりもさらに薄いのです。それほどまでに薄いのに、ゴシゴシこすったりマッサージをしたりすると、角質層が剥がれてしまいます。

皮膚科医は肌をこするという行為は極力避けていることや、何千円も何万円も出してエステサロンに行ってマッサージをして貰うなどということは一切しないのっですが、これで納得できたでしょう。
肌が乾燥して粉が拭くと言う人がいますが、これは半分剥がれた角質層や剥がれ落ちた角質層が粉が吹いたようになっているのです。下着を脱いだら白い粉が舞ったなどと言うのは、まさに剥がれた角質層が舞っているのです。

このように肌が乾燥して粉が拭くと嘆いている人に対して、スクラブ洗顔を止めることや洗顔剤やソープを使わずにお湯だけでジャバジャバ洗って擦らないようにすることを提案すると、乾燥肌が良くなるケースが大半です。
入浴時も、ナイロンタオルやブラシでこすったりしないでボディーソープも中止にすると、粉が吹いていた乾燥肌も良くなります。

「入浴時にボディーソープを使わないなんてあり得ない、そんなの体臭が匂うじゃないですか」と言う人も多いのですが、汚れの8割はお湯で落ちます。また、角質層の厚さはわずか0.02ミリなので、そこに付着している汚れも手でやさしく撫でてあげれば落ちます。

体臭は洗わないからではなく、内臓の疲れやダイエットのし過ぎでケトンと言う物質が溜まるからと言うケースも少なくありません。
肌の状態を良くするには、生活習慣の見直しも重要です。つまり、栄養をバランスよく摂ることや適度な運動や十分な睡眠です。

睡眠不足は乾燥肌の大きな原因となります。肌のターンオーバーを一定に保つはたらきを担っているのが成長ホルモンですが、この成長ホルモンは睡眠時に分泌されているのです。それゆえに、睡眠不足が続くと肌のターンオーバーが遅れてしまい、乾燥肌を招きます。

栄養も大切です。美肌と聞くとビタミンしか思い浮かばないと言う人も少なくないようですが、栄養は単独でははたらきません。栄養はチームで働くので、バランスよく食べることが何よりも重要です。
そのためには、1つや数個の食品に頼るのではなく、いろいろな食品をまんべんなく食べるようにしましょう。

動物性たんぱく質や植物性たんぱく質は肌の材料となります。そしてこれらのたんぱく質は、ビタミンと一緒に摂ることで吸収が良くなります。毎食野菜料理を食べるようにしましょう。

また、亜鉛には傷ついた皮膚が治るのを早める作用があります。近年は手術の前に亜鉛飲料を飲むことが多いのですが、これは手術で傷ついた皮膚を早く治すためです。亜鉛は牡蠣(かき)やレバーに多く含まれています。ほとんど食べることがないと言う人は、たまにはこういった食品も食卓に登場させてあげましょう。

色々な物を少しずつ食べることでバラエティーな食生活を楽しめます。

綺麗な肌を手に入れるには、こすり過ぎないこと、過剰な手入れをしないこと、バランスよく栄養を摂り適度な運動をして睡眠を十分に取ることが大切です。