コラム - ペット

ペット - ペット保険における定率補償と定額補償

近年は高齢化社会や少子化社会が浸透しているためか、ペットを家族のようにして飼っている家庭が増えています。また、ペットと長く一緒に暮らしたいため、「ペット保険」に加入する人が少なくありません。

●ペット保険の対象動物
ペット保険の対象となる動物は一般的に以下などです。
・犬
・猫
・鳥類
・ウサギなどの小動物
・トカゲなどの爬虫類

犬の場合は、保険会社ごとに犬種や体重によって保険料が異なっています。また、動物の年齢制限があったり、年齢によって保険料が異なったりします。

●保険金の支払い
保険金の支払い対象は保険会社によって異なりますが、主に以下になります。
・病気やケガによる通院、入院、手術代
・がんによる通院、入院、手術代
・ペットが人や財物などに損害を与えたことで賠償責任が生じた場合の賠償金

従って、以下の場合は保険金が下りません。
・飼い主の故意や過失によるケガや病気
・自然災害によるケガや病気
・病気の予防や美容を目的とする治療
・出産、避妊、去勢
・治療付帯費用

●定率補償と定額補償
ペット保険は無制限に保険金が支払われるわけではありません。1年間に受取れる保険金の限度額が決まっています。補償方式としては、主に「定率補償タイプ」と「定額補償タイプ」の2種類があります。当然、補償範囲が広くなるほど、保険料は高くなります。

1.定率補償タイプ
現在、主流になっているのは定率補償タイプで、保険の対象となる診療費の50%や70%など、一定の率の保険金が支払われます。ただし、支払限度額や支払限度日数が設けられています。ちなみに、100%補償という保険もありますが、現状ではごく稀でしかありません。

例えば、補償率が50%のタイプに加入した際に、ペットの治療に10,000円の費用がかかったとします。この場合、支払われる給付金は10,000円×0.5=5,000円となり、自己負担は半額になります。

定率補償タイプのメリットは、治療費の額に比例して支払われる給付金が上下するため、どんなに治療費が高くなっても自己負担は半額でしかありません。また、通院・入院・手術に対する1日当たりの限度額と、年間の限度日数(回数)の制限を気にしなくて済みます。

ただ逆に言えば、治療費の多寡に関わらず、必ず自己負担が発生するというデメリットがあります。従って、治療費が一定額以下の場合は、定額補償タイプより損になります。

2.定額補償タイプ
定額補償タイプは、補償限度額が予め設定されており、その範囲内で実際にかかった費用が全額補償されます。

例えば、日額5,000円まで補償するタイプに加入すると、ペットの治療費が9,000円だった場合、5,000円の給付金が支払われるため、自己負担額は4,000円になります。ただし、治療費の実費が上限であるため、治療費が4,000円だった場合は、4,000円しか支払われません。

定額補償タイプのメリットは、治療費が規定額の範囲内であれば、自己負担が無いということです。ただ、定額しか支払われないため、治療費が高額になると、自己負担額が増えるというデメリットがあります。

●保険金の請求方法
ペット保険に加入していると、補償対象となる診療であれば、どこの動物病院でも補償を受けられます。なお、保険金の請求方法は大きく分けて以下の2種類に分かれます。

1. 動物病院の窓口で精算
ペット保険の提携病院で治療を受けた場合は、保険会社から発行された保険証を窓口に提示すると、自己負担額のみの支払いで済みます。面倒な保険金請求手続きが必要ありません。動物病院が治療費における保険金分を保険会社に請求します。

2. 診療後に郵送で保険金請求
とりあえず、動物病院の窓口で治療費の全額を支払います。後日、保険会社へ報告して請求書類を郵送すると、内容を審査された後、指定口座に保険金が振込まれます。