コラム - 健康

健康 - 糖尿病の原因と症状

現代人における最も多い病気の一つに、「糖尿病」があります。糖尿病は発症原因から大きく1型と2型に分けられます。1型糖尿病の場合は突然発症します。多くの見方として、インスリンをつくる膵臓のβ細胞がウイルス感染により破壊されるといわれていますが、その原因と予防は確立されていません。ただ、1型の糖尿病はほとんど見られることはありません。

日本人における糖尿病患者の95%以上が2型糖尿病と言われ、ストレスや肥満、運動不足、暴飲暴食などのライフスタイルの乱れが主な原因となって発症します。生活習慣病の1つとされているのはこの2型糖尿病です。

●糖尿病とは
糖尿病には「糖」という文字が入っていることで、砂糖などの甘いものの取り過ぎと勘違いする人が少なくありません。しかしながら、糖だけが原因になっているわけではありません。糖尿病とは血糖値が高くなる病気のことで、簡単に言うとエネルギーを必要としている細胞の中にブドウ糖が運ばれなくなり、血液の中にあふれてしまうことです。若い人にも発症することがありますが、40歳を過ぎてから発症する場合がほとんどです。

糖尿病の原因は、膵臓から分泌されるホルモンであるインスリンが不足したり、インスリンが細胞に作用しなくなったりするからです。インスリンは体の中で唯一血糖を下げるホルモンであり、食後に血糖が上がらないように調節する働きをしています。また、血液中のブドウ糖を体の細胞に送り込んでエネルギーに変えたり、脂肪やグリコーゲンに変えてエネルギーとして蓄えたりする働きもしています。

このインスリンが作用しなくなると、ブドウ糖が細胞に取り込まれなくなり、血液中の血糖値が上がります。さらに、筋肉や内臓にエネルギーが運ばれないため、全身のエネルギーが足りなくなります。そして、長期間高血糖状態が続くと、腎症や網膜症、神経障害などの合併症が起きることがあります。

●糖尿病の症状
糖尿病の特徴的な症状としては、以下などがあります。
・のどが異常に渇く。
・尿の量が増え、回数も多くなる。
・食事を摂っても、体重が激減する。
・全身がだるく、疲れやすい。

のどが渇いたり、尿の量や回数が増えたりするのは、大量のブドウ糖を排出するために尿の量が増え、また体の水分が失われるためにのどが渇きます。

いくら食べてもブドウ糖が正常に利用されないために慢性的なエネルギー不足になり、食べているのにやせていきます。また、活動エネルギーが不足するため、全身がだるく、疲れやすくなります。

●糖尿病の食事療法
糖尿病の治療は血糖を正常に近い状態に保つことですが、それには食事療法が効果的です。糖尿病の食事療法において重要なことは、過食を避け、偏食せずに規則正しい食事をすることです。食べ物の善し悪しということよりも、1日3食の栄養バランスに気を付け、エネルギーを取り過ぎないようにすることが重要です。

糖尿病を患っている人の食事で注意することとしては、まず味付けを薄味にします。濃い味付けにするとごはんを摂りすぎるきらいがあります。また、塩分の摂り過ぎは高血圧の原因になる場合があり、特に糖尿病の人は高血圧になりがちなので、動脈硬化に進展する危険があります。従って、干物や漬物、汁物類の食べすぎには注意が必要です。

外食の場合は、ご飯を少なめにし、揚げ物の衣は少し取り除くようにします。丼ものよりも定食などを選び、野菜が不足しないようにします。アルコールや菓子類はエネルギーが高いので原則禁止です。

●糖尿病の治療
糖尿病の治療に使われる薬には様々な種類があり、糖尿病の状態に合わせて使います。最初は飲み薬から始めますが、血糖値が下がらない時は、GLP-1受容体作動薬という薬を注射します。また、インスリンの分泌量が十分でない時は、注射によってインスリンを補います。