コラム - モバイルバッテリー

モバイルバッテリー - モバイルバッテリーを長持ちさせる方法と買い替えのサイン

スマホの普及に伴い、近年ではタブレットの利用者も増え、SNSやアプリの利用者が増大している。そんなスマホのヘビーユーザーに人気が高いのが、モバイルバッテリーだ。

自宅で電力を蓄電しておけば、外出先で持ち運びをしながらスマホなどの充電ができるため、スマホやタブレットを使うときに電池切れの心配がない。アプリやSNSはもちろん、ビジネスシーンや災害時にも大活躍している。

繰り返し使えるモバイルバッテリーであるが、何回くらい使えるのか。また、どんな症状が出たら買い替えを検討すれば良いのか。手持ちのモバイルバッテリーを長持ちさせるために普段できることも含め、モバイルバッテリーについての気になるポイントを調べてみたので参考にしてほしい。

寿命は蓄電・充電回数に左右される。
モバイルバッテリーに内蔵されている電池は消耗品だ。モバイルバッテリーの最大の特徴は蓄電と充電が繰り返しなんどもできるというところであり、ここが、繋ぎっぱなし・使いっぱなしが多いパソコンやスマホとは異なる点である。

パソコンのバッテリーの寿命は約2年といわれているが、モバイルバッテリーの場合、電力の蓄電とスマホやタブレットへの充電回数で決められていることが多いのだ。使用頻度が多いと、寿命は短くなってしまう。

充電回数はおよそ300~500回。
モバイルバッテリーのサイズや充電頻度により幅があるが、寿命になるまで充電できる回数は、およそ300~500回ほどである。毎日モバイルバッテリーを使っているならばおよそ1年で寿命になってしまうし、1日に2回使っていれば寿命はその半分ほどに、逆に3日に1回程度の使用であれば寿命は長くなるというわけだ。

もちろん、500回使ったらすぐに使えなくなるようなものではない。使用頻度や使い方によって長持ちさせることもができるが、使い方によっては逆に短くなってしまうこともあるのだ。

モバイルバッテリーを長持ちさせるためにできること。
モバイルバッテリーを少しでも長持ちさせるために、できることを試してほしい。そのポイントは購入時から始まり、毎回の使用時に気にかけてもらいたいことまでさまざまだ。

ほんの少しの手間と気遣いで、本体の寿命が延びる。早速1つずつ説明していこう。

リチウムイオン電池搭載のものを選ぶ。
モバイルバッテリーにもいくつかの種類があるが、なかでも繰り返しの利用に強いのがリチウムイオン電池だ。リチウムイオン電池とは化学反応で電力を作り出すタイプの電池であり、プラスとマイナスの間をリチウムイオンが移動することで、電池の充電とスマホへの放電が可能となっている。

リチウムイオン電池はモバイルバッテリーだけでなく、パソコンやスマホ、電気自動車や家庭の蓄電システムなど、あらゆるものに利用されているメジャーな電池である。充電・蓄電のスピードや容量が、一般的な乾電池などと比べると格段に優秀なのだ。

モバイルバッテリーを購入するときには、リチウムイオン電池式のものを選ぶのがオススメである。

高温や多湿になる場所に保管しない。
非常に便利なリチウムイオン電池だが、使用方法はしっかりと守らなければならない。精密機器と同じで、高温多湿な場所での保管は厳禁だ。リチウムイオン電池には危険温度が45℃以上と設定されており、45度を超えると異常発熱や発煙・発火の原因にもなるので非常に危険である。しかし、5℃度から45℃の間ならば安心して使用できるため、通常に使用していれば何の問題ない。

45℃を超える危険性がある使用状況とは、夏場の自動車内や直射日光の当たる場所、またはキッチンのコンロのそばに置くケースだ。高温になる場所に置くとバッテリーに負担がかかり劣化が早くなるのは、スマホやパソコンと同じである。


また、浴室などの湿度が極めて高い場所に放置することも故障の原因となる。高温や多湿の場所に置いてある頻度が高ければ本体への負担となり、劣化の原因となるので注意したい。

残量が完全に無くなる前に蓄電する。
モバイルバッテリーに電力を蓄電するときは、本体の電力がゼロになる前に充電しておこう。ガラケー時代はタブーとされていた充電方法だが、リチウムイオン電池に限っては、0%からの充電は過充電となるため劣化の原因となるのである。蓄電された電力が完全に無くなる前に充電することを心掛けよう。

加えて、モバイルバッテリーへの蓄電とスマホへの充電を同時にしてはいけない。この行動は、リチウムイオン電池を過剰に働かせることになり劣化を早める。蓄電と放電を同時におこなった方が効率が良いようにも感じるが、電池の劣化はもちろん、本体の温度が上がるなど危険な症状が起こる場合もあるため注意が必要だ。

万が一蓄電中や充電中にモバイルバッテリーの発熱を感じたら、直ちに充電をストップさせよう。

蓄電完了後すぐにコンセントを抜く。
モバイルバッテリーへの蓄電が完了したら、いつまでもコンセントに差しっぱなしにしてはいけない。なぜなら、リチウムイオン電池の充電状態が続き、いつまでも充電をし続けることで早期劣化に繋がるからだ。本体への蓄電完了を確認したら、コンセントから抜いておこう。

ちなみに、スマホは100%になるまで充電をするのではなく、80%くらいの充電に留めておいたほうがバッテリーを長持ちさせるともいわれている。20%と80%の間を保つくらいの充電を推奨する。

スマホやタブレットの電源を定期的に切る。
スマホやタブレット本体の電源をずっと入れっぱなしにしておくと、バッテリーの劣化が早まる。すると、スマホ本体にもモバイルバッテリーにも負荷がかかることになる。モバイルバッテリーからの充電量が増えるため、寿命が短くなってしまうのだ。

そんな悪循環を減らすためにも、消費するバッテリーを減らしてモバイルバッテリーからの充電を抑えることで、長持ちさせることが可能だ。

モバイルバッテリーだけでなく、スマホやタブレットも大切に使うことも忘れてはならない。

モバイルバッテリー買い替えのサイン。
使用頻度が多いわけではないのに、使い方によっては寿命が早くなってしまうことがある。以下のような症状が現れたら、充電回数に関係なく買い替えをオススメする。

充電に時間がかかるようになった。
購入当初からスマホへの充電に時間がかかるようになったと感じたら、リチウムイオン電池が劣化している可能性が高い。一度劣化したリチウムイオン電池を復活させることはできないため、劣化を感じたら潔く買い替えよう。

本体に蓄電された充電がすぐに無くなる。
蓄電された充電が、従来よりも早く無くなるようになった場合も、リチウムイオン電池が劣化している。上記と同様に買い替えた方が良い。

スイッチを押しても充電されない。
スマホへの充電を開始するスイッチを押しても充電が開始されない場合は、リチウムイオン電池の劣化やスイッチの劣化などの理由が考えられる。

本体が膨らんでいる。
バッテリー本体が膨らんできたら、早急な買い替えをオススメする。バッテリーの膨らみは、異常発熱や発煙などのおそれが出てくるため非常に危険だ。膨らみに気付いたら早めに買い替えてほしい。

本体が熱くなる。
こちらも、本体の膨らみと同様早めの買い替えをオススメする症状だ。そのまま使い続けるのは危険なので、とくに気を付けてほしい。

モバイルバッテリーを買い替える時期。
モバイルバッテリーの容量や使用頻度にもよるが、毎日使用しているなら1~2年、数日ごとの使用なら2~3年ごとに買い替えたい。1週間に1度くらいの少ない使用頻度でも、リチウムイオン電池の劣化を考えると、使用頻度が低くても3年ごとに買い替えておくと安心である。