コラム - カメラ

カメラ - デジカメの仕組みと機能

今や、手軽に持ち運べ、しかもきれいな写真が撮れるということで「デジカメ(デジタルカメラ)」を利用する人が多くなっています。ただ、そのデジカメで写真が撮れる仕組みや機能を知らない人が少なくありません。

●デジカメの撮影の仕組み
実は、フィルムカメラもデジタルカメラも撮影の原理は一緒ですが、光を写真にする過程が異なっています。デジタルカメラの場合は、レンズを通った光がフィルムではなくCCDなどの撮像素子に伝わります。撮像素子に当たった被写体の光は電子に変えられ、さらにアナログの電気信号に変換されます。なお、アナログの電気信号は弱いため、増幅されてデジタル信号に変換されます。

そして、そのデジタル信号を目に見えるようにするため、画像処理回路に送られ、可視可能な画像のデジタル信号に変換されます。画像処理回路ではホワイトバランスやコントラスト、色合いなどの画像処理が行われます。これによって目で見ることができる画像データとして完成します。

画像処理された画像データは、一時的にカメラ本体のバッファメモリーと呼ばれる記憶回路に記録されます。最後に、画像データは記録メディア(メモリカード)に記録されます。

●画素数
デジカメで撮影された画像は小さな点(画素)で構成されています。仮に、500万画素CCDのデジカメの場合、CCDの受光面には2,560×1,920=約500万の画素が並んでいます。CCDの画素数が多いほど、1画面に構成する画素数が多くなるため、より多くの情報による精細な画像ができます。今では1,000万画素以上が当たり前になっています。

●ズーム機能
デジタルカメラのズームには、「光学ズーム」と「デジタルズーム」があります。
1.光学ズーム
光学ズームは普通のカメラ(銀塩カメラ)や双眼鏡と同じ仕組みになっています。映像を感じ取るCCDとレンズとの間の焦点距離を変えることで、本来なら小さく見えるもの(遠くにあるもの)を大きく映し出します。

レンズの焦点距離を長くするほど被写体が大きくなりますが、「本来見えている画像」に変わりがないため、画質が劣化することはありません。

2.デジタルズーム
デジタルズームはレンズ自体を動かすわけではなく、CCDに写った画像の「一部」を拡大することで被写体を大きく見えるようにします。要するに、「トリミング」と呼ばれる技法を使って一部を補完拡大し、あたかも望遠で撮影したかのように見せています。「本来見えている画像」を機械的に引き伸ばすため、被写体の細部や輪郭は自動的に補正されます。また、拡大すればするほど画素数が減って画質が劣化します。

例えば、2倍ズームにすると、縦と横の記録画素を2倍に拡大して情報量を抽出するため、画素の情報量は1/2になります。「縦の画素の1/2」×「横の画素の1/2」になるため、画素数は元の画素数の1/4になります。400万画素のデジタルカメラなら、100万画素のものと同様に見えるということです。

●デジカメの特徴
デジカメの特徴としては、以下が挙げられます。
・撮った写真をすぐに見られる。
・不要な写真は消去できるし、何回でも撮影できる。
・デジタルデータとして保存されるので、劣化せず、加工も自由にできる。
・インターネットを利用して、転送することができる。
ただ、デジカメはシャッターを押してから写るまでにタイムラグがあるため、動いているものの撮影には不向きです。なお、デジカメは電池(バッテリー)で動きますが、使用する電池はカメラによって決まっています。

現在のデジカメは10倍以上の高倍率のズームレンズを備えたデジカメが普及し、広角から望遠まで幅広い撮影に対応できるようになっています。さらに、ほとんどのデジカメに動画撮影機能が搭載されており、フルハイビジョンで撮影できるものが一般化しています。